CotEditor(その2)

前回、CotEditor がちょっともたつく、なんて偉そうなコトを書いてしまったところ、作者の nakamuxu 氏の目に止まったようで、コメント欄でアドバイスをいただいた。

文字入力時に最も時間がかかるのはカラーリングですが、それを切ってももう少しだということであれば、「情報ドローワを閉じる」「ステータスバーの表示を消す」「行番号の表示を消す」をやってみていただけますでしょうか。これでかなり改善されるのではないかと思います。

ということで、種々の設定をオン/オフして、体感的な速度にどう反映されるか、確かめてみた。

環境

改めて整理する

  • 今回私が感じた「もたつき感」とは、カーソルの移動や文字の入力時に、キー入力に半歩から一歩遅れて付いてくるような感覚のことを指している。

そして、この動作の速度に影響する(と思われる)要因として以下が考えられた:

  • 前回のエントリで試してみたこと:
    • カラーリング
    • ウインドウの透明度
  • アドバイスをいただいたこと:
    • ステータス行の表示
    • 情報ドロワーの表示
    • 行番号の表示
  • 他に思いつくこと:

試してみよう!

以下に各項目の検証結果を述べる。各項目は個別に入/切して検証したよ。

  1. フォントのアンチエイリアスを切っても、速度に目立った変化は見られなかった。文字が激しく汚くなる*1ので、わざわざ切ることは無いだろう。
  2. ウインドウの透明度についても、それほど(文字入力に対する)パフォーマンスに影響は無いようだ。
  3. ステータス行、情報ドロワーは、前回のエントリを書いた時点ですでに非表示に設定していました。試しに表示させてみると、確かに若干足を引っ張ってしまうようだ。必要がなければ非表示にしておくのが良いだろう。少なくともドロワーは閉じておくべきである。
  4. 行番号は盲点だった。早速行番号表示をオフにしてみたところ、とくに長い行の一部分を削除/挿入/カーソル移動する際のパフォーマンスがやや向上した気がする。カラーリングの次に効果がある部分ではないかと思われる。
  5. やはり、いちばん動作速度に影響を及ぼすのはカラーリングの入/切。この違いははっきりしていて、カラーリング時にはキータイプから一歩遅れるような感覚がある。

と、いうわけで

カラーリングを通常オフにしてみたが(必要な時には、すぐにツールバーからカラーリングを適用できるので便利)、当然ながら引き換えに「リアルタイムにカラーリングできる」という CotEditor の特徴が失われてしまうのは残念だ。快適な入力速度とカラーリング、どちらをとるかは各ユーザの使い方や好みによって、自分で判断することになるだろう。…あるいは、より高速な Mac にすると両立できる可能性もあるかなぁ。G5 dual とか使っている人の CotEditor 動作速度体感記も見てみたい。

誤解しないで欲しいのだが、CotEditor は間違いなく素敵なエディタである。エンコーディングや検索・置換関連の充実した機能や、奇麗なインタフェース、(全体として)軽快な動作、そして Cocoa の香りは、間違いなく長い間求められていたエディタの形であり、そして満足のいく仕上がりだ。カラーリングについても、コードを書く側から見れば実装が大変だというのは容易に想像が付くし、この部分のパフォーマンスを稼ぐのはかなり難しい技である。だが、まちがいなく今後さらに CotEditor は洗練され、発展し、動作速度もさらにチューニングが進んでいくだろう(根拠は無いが、作者さんからそういうオーラを感じるのだ!)。激しく期待したい。

*1:フォント/見る人によってはそんなことはないかもしれないが