スーパー前売りきっぷで道北訪問(二日目)

※このエントリは3月2日に追加され、3月3日までの間に何度か書き足しされました。
d:id:tsawada2:20080229#1204449293 の続き。
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3月1日 旭川 743→富良野 854 725D

さぁ、二日目の始まりだ!6時半頃起床し、7時にササッとホテルのロビーで軽い朝食をとり、7時20分くらいには駅に行く。高校生が改札口で記念写真を駅員に撮ってもらっている……「最後の通学だから…」などという会話が聞こえた。…あっ!今日は卒業式の日か!!


案の定、富良野線ホームに行くと大勢の高校生がわらわら集まってきた。朝の通学列車に当たってしまった訳だ。これで1両編成だったら車内が混みそうだなぁ*1と思っていたが、725D はキハ150形の2両編成(キハ150-3+キハ150-1)で登場した。すみやかに1人がけボックスシートを確保する。通路を挟んで反対側の2人がけボックスには地元のおじさんがどっかと腰を下ろし、発車前から目を閉じて睡眠モードである。やがていびきをかいて本格的に眠りだし、どうも降りる駅を寝過ごしてしまったようだった(西聖和あたりで飛び起き、慌てて運転手に相談していた)。高校生達はもっぱらデッキと、デッキ付近のロングシート部にたむろしている。西御料や美瑛でゾロゾロと下車していった。


富良野線は全列車キハ150形なので、いつもキハ40形ばかりに巡り会うことが多いほかのローカル線区*2に比べるとなんだかお得な気分になる。窓は開かないが、今は冬なので問題にならない。エンジンも軽快でキハ40のような鈍重な感じは無く、お気に入りの車両である。

平坦で直線的な旭川近郊、カーブや勾配が増えてくる美瑛付近、そして富良野盆地の特徴的な眺め、と、1時間ちょっとの乗車でも景色はくるくる変わる。空は曇っているが、車窓は飽きないね。

右から根室本線が合流して、富良野駅に到着。少し雪がちらつきだした。

3月1日 富良野1000→滝川1112 2428D

今乗ってきたキハ150形2両編成は、切り離しの上、1両は折り返し旭川へ。前の1両は快速「狩勝」となって帯広まで走っていく。私はいったん待合室に引き上げる。まだ9時か…暇つぶしにスポーツ新聞を買い求め、次の乗車列車を待つ。あ、へそのおまんじゅうを買ったよ。これ好きなんだよね。


だんだん雪が「舞う」から「降る」に変わってきた。9時41分、新得方から輝く光が……これから乗る滝川行き普通列車の入線である。
おなじみのキハ40形単行、今日は1754号車であった。空いていて、慌てずともボックスを確保できた。10時ちょうどに発車。島ノ下トンネル・滝里トンネルをくぐると、ますます雪がひどくなってきた。視界はほぼ真っ白になり、何も見えない。それでも赤平駅近くの旧住友赤平炭鉱立坑やぐらはうっすらと確認できた。一昨年夏にもこの区間通っているのだが、あの立坑やぐらにはとても気を引かれるのだ。いつか赤平に下車して、実際に訪れられると良いのだが。


雪の中、滝川駅に到着。

3月1日 滝川1153→深川1212 2149M

次の目標、留萌本線走破のためには起点の深川駅まで移動しなければならない。ひっきりなしに走るスーパーカムイでパッと移動しても良いのだが、なにぶん接続時間も余裕たっぷりすぎるくらい余裕たっぷりなので、あまり急いで深川に移動する必要も無い。そこで7番線を見ると、古き良き711系S-110編成の普通列車が長い長い途中停車を行なっていたので*3、これで深川に向かうことにした。


がらがらの車内、ボックスシートに再び座れば、国鉄型同士先ほど乗車したキハ40と似た感じでいっぱいだ。あっという間に深川駅に到着。

深川駅:昼食

ちょうどお昼時の深川駅。実はお昼にここの駅弁「番屋めし」を食べてみたいと思っていたのだが……「ごめんなさい、今日はもう出ちゃったんですよ」と売店のおばちゃんに言われてしまい合えなく撃沈。うーむ、なにかこう漠然と嫌な予感がしていたのだが、これだったか……人気らしいから仕方ないけどね。二番人気とおばちゃんに勧められて「蝦夷かに弁当」を買って食べる。深川でかにというのも疑問が残るが、おそらく道外からの客や道外の駅弁大会などではアピールポイントになるのだろう。
なお、家に帰ってからたまたま調べてみると、深川駅の一部駅弁はいわゆる「疑義駅弁」ではないか、とも言われているようだが…(蝦夷かに弁当は「駅弁資料館 北海道・深川駅・その他の駅弁」にある蝦夷いくら弁当、蝦夷ミックス弁当とほぼ同様のスタイルであった。ただしあったか〜い蝦夷かに釜めしとは別物である)、真偽のほどは不明。一応売店には蝦夷かに、蝦夷ミックス、蝦夷いくらが並んでいたから、現地での販売実態はあると言って良いだろう(季節・曜日限定らしいが)また、JR北海道車内誌の路線図のページにある駅弁紹介にもこれら3品は記載がある。しかし蝦夷かに弁当のパッケージには「北海道深川駅」「北海道留萌線*4深川駅」とわざわざ表記してあるあたり、やはり道外等での駅弁大会での販売を強く意識して作られた商品では無いかという気がする。


まぁ、美味しかったし、あまり深く考えないことにしましょう。

3月1日 深川1323→増毛1446 4927D

弁当を食べ終えても、なお増毛行きの発車までは時間がある。ベンチで待っていてふと気が付くと、高校生がわらわらと大勢現れてきたことに気づいた。……そうか、卒業式か!!(今日二回目)どうやら今度は帰宅時間帯の列車に当たってしまったようだ。そうこうしているうち、ホームにキハ54が入線していたのが見えたので、いそいそとホームへ向かう。ちなみにこの時点では、相変わらず雪が激しく降っていた。
留萌本線は基本的に全列車キハ54形での運転で、今回は509号車であった。以前乗った510はキハ183系から転用したと思われる集団見合い式の簡易リクライニングシートであったが、この509は転換クロスシートである。これは簡易リクライニングの車両でもそうだが、座席によっては窓割りと全く一致せず、車窓を楽しめないことがあるのが難点だ。そうでなくても乗り馴れた地元の客で既にクロスシートは埋まってしまっていたので、進行方向前側の車端ロングシートに座ることとする。高校生も大勢乗っていて、やはりデッキ部と、車両後部にたむろしている。ちなみにデッキ部のガキどもは富良野線で見た高校生よりもマナーがよろしくなく、デッキのドアに平然と立ちふさがり、運賃箱にまで腰掛けている。運転士も諦めているのか慣れているのか、そんな彼らを完全無視している。まぁ二、三駅ですぐ降りてしまうのだが。


はじめての留萌本線、車窓は相変わらず真っ白だったが、徐々に雪が止んできて、留萌辺りからは晴れ間も覗くようになった。留萌駅を出てすぐのあたりで、2chでは有名な沿岸バス留萌営業所の車庫が見えた。そして右手に海が見えるようになり、くねくねと海岸沿いに進みながら、ついに増毛へたどり着いたのだ。

増毛

さて、増毛である……折り返しまで1時間もあるが、駅は何も無く、待合室で吐く息の白さが空しい。まぁ観光シーズンでもないからね……降り立った客もいつの間にかどこかへ散ってしまったが、一人だけ青年が待合室でじっと折り返し列車のドアが空くのを待っていた。私も正直することがないのだが、同じように待合室でじっとするのもアレなのですこし周辺を歩いてみることにする。


…とは言っても、周辺も実に寂しいんだな、ここは。人気もほとんどなく、たまに道を歩いてくる地元の人には怪訝そうな目で見られてしまった。海岸近くに立ってみると風が冷たく、ウミネコの甲高い鳴き声にビクッとする。厳しい表情の日本海であった。

3月1日 増毛1548→深川1713 4932D

増毛駅に戻ってしばらく暇を持て余した後、キハ54のドアが開いたのでやれやれと駆け込む。駅舎より車内の方が暖かく快適だ。そして深川へ折り返す。今度は高校生も乗車しておらず、さらりとボックスが埋まる程度の待ったりした乗車率。私は少し疲れてきて、あくびを漏らすようになってきた。まぶたがくっつきそうになる。しかし思い切ってしばらくまぶたを閉じてみたら、意外と大したことはなく、またシャキッと回復した。薄暗くなった深川駅にカムバック。これで今回の小旅行の目的の半分くらいは達成したことになる。

3月1日 深川1732→旭川1750 3037M エル特急スーパーカムイ37号

深川からそのまま札幌行きのスーパーカムイで帰還する手もあるのだが、旭川で夕食をとりたいので再び旭川へ向かう。実はこの日滝川や深川では789系のスーパーカムイばかり目撃していたので、なんとなく自分が乗るときも789系が来そうな気がしていたが、この日のスーパーカムイ37号は785系(NE-501)が充てられていた。789系1000番台とどちらが好きでどちらが嫌い、ということはない(どちらも好き)ので、問題はない。

旭川:夕食

旭川駅からバスに乗って、神楽3条へ……ネットで見かけた「味の三平」の「激辛三平みそラーメン」なるものを食してみようと思っていたのだ。


早速激辛三平みそラーメンを注文する。しばし待った後、いよいよラーメンが出てきた。「!!」これは辛そうだ……スープがあちこちで「ボコッ!ボコッッ!」とマグマのようにたぎっている。一口食べる。これは辛い。今思い出してキーボードを叩いているだけでもあの感覚がよみがえってくる。いやもう本当に辛い…というか、「辛い」だけでは正確に伝わらないと思う。とにかく食べてみてくれ、としか言えない。頭から汗が噴き出して大変だった。そして胃の中も燃えるような感覚が……翌朝まで引きずったものである。しかし後悔はしていないぜ。これを体験できて良かった!

3月1日 旭川2000→札幌2120 3052M エル特急スーパーカムイ52号

胃の中に魔女の大鍋を抱えたような気分で、駅に戻る。後は札幌に帰るだけだ。uシート(指定席)を確保しているので、極めて落ち着いた気分である。今日の52号は NE-5 編成、すなわち785系であった。そういえばまだ 789 系の uシートに当たったことが無かったなぁ……
もう夜なので、真っ暗な中をひたすら突っ走って札幌へ。深川・滝川と今日立ち寄った駅に停車する。高々数時間前のことなのに、もうずいぶん前のことのように思えてしまうから不思議だ。


ほぼ定刻に札幌駅に滑り込み、かくしてスーパー前売りきっぷによる小旅行は無事終了となった。おそらくもうこうやって道内を乗り潰す機会も極めて少なくなるだろう。しかしまだまだ未乗車の区間がたくさんある!札幌を離れる前に、一日散歩きっぷ札沼線の走破を狙っているが……時間が取れるかな?とにかく、鉄道に乗るのは楽しいぜ!

*1:とは言っても、2, 3個目の駅で大体下車していくものだが

*2:キハ54形が主の線区を除く

*3:2149M は小樽から旭川まで走るロングランの普通列車で、滝川には11時08分に到着。45分停車してスーパーカムイを2本先行させる

*4:函館本線では無く留萌線とわざわざ書くあたり、何か意図を感じる